彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)



「凛ちゃん、元が可愛いから何でも似合うわ~!」

「そ、そんな・・・・モニカちゃんのセンスがいいからですよ。」

「もぉ、ホントに謙虚なんだから!」

「ふん、皇助の自己主張をわけてやってもいいぐらいだな。」

「あんだとコラー!?」

「よせよ。けど、これなら瑞希も喜ぶな~」

「俺が何だよ?」

「え!?」



その声にドキッとする。

思わず、声がした方を見れば、その方はいた。



「瑞希お兄ちゃん!!」

「遅いぞ、お前らー?いつまで待たせんだよ?」



現れたのは、私が片思い中の麗しの君!




「お!似合うじゃんか、凛?」




元龍星軍総長の真田瑞希様の降臨!!

現在はバリスタとして働いているさわやかで優しい人!

可愛い見た目に反して、喧嘩は強くて、男らしくてカッコいいとこにギャップ萌え!!

私のことをすごく可愛がってくれて、甘やかしてくれ、時には厳しくしてくれるけど、やっぱり甘々の5歳年上のお兄さん!

いろいろ心配して、面倒を見てくれる最高に素敵な男性なんです!!

さらに言えば、私が男装と偽名を使うきっかけになった罪なお人でもあります!



〔★男装と偽名は凛が原因だ★〕



ニコニコしながら近づいてきた彼に、私も笑顔で答える。



「凛も、着流しにしたんだな?」

「お、お兄ちゃんも、着流しですね!?」

「はは!こういう時ぐらい、日本人らしくしないとな?」



着流し率が高いと思いながらも、そのお姿に見惚れる。

男性でありながら、中性的な美しさを持つ好きな人。

リップを縫っているわけでもないのに、常に桃色の唇が魅惑的!

和服を着ていることで、首筋のあたりがとても色っぽいのです!



(じろじろ見てはいけないとわかってるけど~視線が言うことを聞かないわー!)



浮かれながら、ついつい見入っていれば彼と目が合う。

途端に、困ったような笑みを向けられた。



「にしても、凛・・・なんで浴衣の下にアンダーシャツなんか着てんだよ?」

「え?」



指摘されたのは、見ていたことではなく、服装のこと。



< 5 / 534 >

この作品をシェア

pagetop