彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)
みんながヤマトの家の事情を知って怖がり、フェリチータへと逃げてきた。
そこには予定通り、読書中の獅子島さんがいた。
彼に、ここで宿題をさせてほしいと頼んで了承をもらった。
ところが獅子島さんは、私だけ勉強道具を持ってないことを追及してきた。
そこで、私以外は宿題が出来ていないと事情を説明していたところへトイレから瑞希お兄ちゃんが戻ってきた。
同じようにわけを話せば、獅子島さんにみんなの家庭教師をするように『初代総長命令』を出してくれた。
「可愛い後輩のために、力貸してやれよ、東大生!」
「気安くその肩書きで呼ぶな。フン、凛道は出来がよかったからな・・・早く終わっていても仕方あるまい。凛道に教える必要がないとはな・・・」
私だけ宿題が出来てることに、獅子島さんは不服そうだったけど、瑞希お兄ちゃんの口添えもあって教師役を引き受けてくれた。
とはいえ、みんなあれだけ獅子島さんを恐れていたので、最初は瑞希お兄ちゃんの親切に応じようとはしなかった。
「いや、あの、獅子島先輩、無理にとは言いませんので~」
「そうっすよ!ご迷惑はかけられませんから!」
「ですから、お気遣いは~」
「遠慮すんなよ、爆裂弾。こういう時は、先輩に甘えろ!なぁ、伊織?」
「今日教えた英単語、二度と頭から離れんようにしてやろう・・・!」
「「「ひー!?スパルタ!!」」」
「ははは!よかったな、お前ら?」
怯える円城寺君達と、瞳孔全開の獅子島さんを見て、なごやかに言える瑞希お兄ちゃんって素敵・・・。
〔★恋は盲目だ★〕