彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)
獅子島さんからの氷の視線を受け、仲間達は静かに宿題に励む。
私は瑞希お兄ちゃんに呼ばれ、みんなの分の飲み物を用意するためキッチンへ♪
それでドリルから目を離す円城寺君を、獅子島さんがひねりあげていた。
「伊織、どんな感じだ?」
「全滅だな。」
瑞希お兄ちゃんが聞けば、全員の課題を見ていた獅子島さんがぼやく。
個人個人、各教科、どこまで終わっているか見ていたらしい。
チェックが終わるやいなや、それぞれの宿題を綺麗にそろえて置きながら言った。
「円城寺達東山勢は、分担していけば間に合う。一方で、学校の違うラジオと忍びは、従来通り1人で勉強をせねばならん。」
「うはははは!つらいな~」
「あーあ。東山高校に入ればよかった。」
「ウェイウェイウェイ!今からうちに転校しちゃえばよくない系?」
「ざけんな!これ以上、変な奴が増えてたまるか!?」
「オメーのどこがまともだ、円城寺!?」
「ぶつくさ言わずに、宿題しろよ!」
「真面目だな、カンナ?だいたい族が、真面目に宿題とかありえねぇー」
「宿題したくねぇー早く集会したいぜ!」
「ほお、集会へのやる気はあるのだな?」
みんなの会話を確認するように、獅子島さんが聞く。
「もちろんすよ!」
「じゃあ、宿題が終わるまで、龍星軍の集会はナシだな。」
「「「「「ええええ!?」」」」」
(そーなるよね・・・)
やることやらずに遊ぼうって言うのは、よくないよね。
「族が真面目に勉強って、冗談じゃないっすよ!」
「頭の凛道は終わってるんだぞ、大河?」
「そ、それは、瑞希先輩!!」
「くっくっくっ!総長にならうのが、この世界のルール。守れんとは言わせんぞ?」
「凛道ぉ~!!」
「なんてことしてくれるたんだ!?」
「人でなしぃ!下種野郎!!」
「何で宿題をして、外道呼ばわりされなきゃならないんですか!?」
〔★理不尽だ★〕