彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)
「ただいま~」
話がまとまったところで、ヘビースモーカーのお兄さんも帰ってきた。
「あ、お帰りなさい、烈司さん。」
「おお、凛たん来てたのかぁ~?ただいまぁ~♪一緒にDVD鑑賞しようぜ~」
「DVD?」
「今日、レンタルが安かったから借りてきたんだ。ケンタッキーもあるぞ。」
そう語る烈司さんの手には、レンタルショップの袋とカーネルおじさんの袋があった。
「オリジナルチキンの他に、ビスケットにカーネルリングポテト、野菜たっぷりツイスター、カーネルクリスピーもあるぞ?凛たん、食べるだろう?」
「え?でも、それだとみなさんの分が・・・」
「多めに買ってきてるからいいんだよ。一緒に番ご飯も食べようぜ?」
「手抜きか、烈司?」
「獅子島さん?」
「い、伊織!?」
それでギクッとした顔になる烈司さん。
そんなヘビースモーカーを、ジロッと見ながら獅子島さんは冷たく言い放つ。
「今日の食事当番は烈司だろう?楽したいようだな?」
「な、なに言ってんだよ~イオリン!」
「俺をそう呼ぶのはモニカだけだ、馬鹿者。」
「動揺しまくりねぇ。」
「わははは!金で手間を買ったってことかよぉ~!?」
「う、うるせぇなぁ!たまにはいいんじゃねぇか?なぁ、瑞希!?」
助けを求めるように言えば、可愛いお兄さんは笑う。
「そうだな・・・今月はオメー、休みなしで働いてるしな?」
「さすが瑞希!わかってるじゃん、相棒?」
「調子の良いことだ。」
「わはははは!」
「それじゃあ、みんなで食べながら見ましょうか?」
「そうだな。来いよ、凛。」
「はい!」
瑞希お兄ちゃんの言葉を受け、共有スペースである居間へと移動する。