桃太郎いざゆかん

届かない声

みよちゃんは、雪道をひたすら走っていました。こけました。

プレゼントが転げました。

忍者「どうした?」

みよちゃん「いや誰やねん。」

忍者「私が届けてやろう。」

みよちゃん「いやいいわ。」

忍者「50円だ。」

みよちゃん「いい言うとんのに。片想いの人がいるの。その人が今夜、北極に旅立つの…。」

忍者「え、北極?なんなん。」

みよちゃん「事情でよ。知らんやん。」

忍者「事情で、北極なんか行く?」

みよちゃん「急いでんねん。のいて。」

忍者「そんな体で行けるのか?」

みよちゃん「五体満足やわ!」

忍者「ほう…。健康診断を受けたというのかね…。しゅぱっ、ふはは、奪ってやったぞ!」

みよちゃん「マジ何してくれとんねん。」

忍者「これは私が頂こう…。ほほー、ケーキかー。」

みよちゃん「まさか、あなた、私の片想いの渡部くんじゃないよね?」

忍者「違うよ。」

みよちゃん「やっぱ、違うんかい!誰やねん。」

忍者「俺だ。斎藤」

みよちゃん「げ、キライな斎藤!」

忍者「これを機に、好きになったかい?」

みよちゃん「大嫌いやわ!」

みよちゃんは、走り去っていった。

忍者「ふぅ、、これからが、一仕事やぜ。」

白雪姫「待って。どこ行くん?」

忍者「いやお前誰やねん。」

白雪姫「白雪姫やん。」

忍者「ファンタジーやん。」

白雪姫「お前もやら。」

忍者「俺は実在やん。」

白雪姫「どこ行くのよ。」

忍者「渡部ってやつに、届けてやんだよ。もぐもぐ」

白雪姫「食ってるやん。」

忍者「一口だけ残してる。」

白雪姫「最悪やん。」

忍者「感謝してほしいわ。」

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