明日死ぬ僕と100年後の君
「みんなどうして生きてるんだろう」
◇ボランティア部の聖人
✽
ひらりひらりと、大きな白い羽が舞い落ちてきた。
学校の廊下に、羽? と驚いたのは一瞬。
羽の正体はただの白いプリント用紙だった。
寝不足でぼんやりとしていたから見まちがえたんだろうか。
すべるように廊下に落ちた紙は、よく見ると数学の問題がびっしり書かれている。
どうしてこれを羽と見まちがえられたのか、自分にあきれた。
きっと、慌てた様子で左の階段から駆け下りて来る女子生徒が落としたんだろう。
ついてないね。心の中でそう声をかける。それだけだ。
ちょうど通り過ぎたあとだったので、そのまま立ち止まらずに教室に向かう。
「大丈夫? 手伝うよ」
そんな柔らかな声が聞こえて、なんとなく振り返った。
しゃがみこみ、恥ずかしそうにプリントを拾い集める女子生徒。
他の生徒はみんな知らん顔で素通りしている。
その中でひとりだけ、彼女の傍で立ち止まった男子がいた。
びっくりするほど色が白くて、線が細い。
なんだか背中に羽でも生えていそうな雰囲気の。
ひらりひらりと、大きな白い羽が舞い落ちてきた。
学校の廊下に、羽? と驚いたのは一瞬。
羽の正体はただの白いプリント用紙だった。
寝不足でぼんやりとしていたから見まちがえたんだろうか。
すべるように廊下に落ちた紙は、よく見ると数学の問題がびっしり書かれている。
どうしてこれを羽と見まちがえられたのか、自分にあきれた。
きっと、慌てた様子で左の階段から駆け下りて来る女子生徒が落としたんだろう。
ついてないね。心の中でそう声をかける。それだけだ。
ちょうど通り過ぎたあとだったので、そのまま立ち止まらずに教室に向かう。
「大丈夫? 手伝うよ」
そんな柔らかな声が聞こえて、なんとなく振り返った。
しゃがみこみ、恥ずかしそうにプリントを拾い集める女子生徒。
他の生徒はみんな知らん顔で素通りしている。
その中でひとりだけ、彼女の傍で立ち止まった男子がいた。
びっくりするほど色が白くて、線が細い。
なんだか背中に羽でも生えていそうな雰囲気の。
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