明日死ぬ僕と100年後の君
◇そのこころは
✽
勉強は得意な方じゃないけど、小学生の宿題くらいなら余裕だろう。
そう軽く考えていた1時間前までの自分を殴り飛ばしたい。
三角やら台形やら円形やら、様々な図形が印刷された白い紙をテーブルに戻し、どうしたもんかなあと後ろを見る。
そこでは小学生の男子たちが、狭いスペースにもかかわらず駆け回っていた。
その中のよく日焼けした、猫のように吊り上がった目の男の子がわたしの担当だ。
短パンから伸びる脚もきれいにこんがりと焼けていて、膝には大きな絆創膏が貼られている。
見るからにやんちゃそうな彼の名前は隼人くん。
この児童養護施設に来て、半年になる彼は勉強が苦手らしい。
わたしが教えようとしても落ち着きなく身体をゆらし、しまいには「ねーちゃん教え方下手!」と言って宿題を投げ出した。
まあわたしが誰かに勉強を教えるなんて、おこがましいよなあと思い、積極的に彼を引き留めることもしなかった。
勉強は得意な方じゃないけど、小学生の宿題くらいなら余裕だろう。
そう軽く考えていた1時間前までの自分を殴り飛ばしたい。
三角やら台形やら円形やら、様々な図形が印刷された白い紙をテーブルに戻し、どうしたもんかなあと後ろを見る。
そこでは小学生の男子たちが、狭いスペースにもかかわらず駆け回っていた。
その中のよく日焼けした、猫のように吊り上がった目の男の子がわたしの担当だ。
短パンから伸びる脚もきれいにこんがりと焼けていて、膝には大きな絆創膏が貼られている。
見るからにやんちゃそうな彼の名前は隼人くん。
この児童養護施設に来て、半年になる彼は勉強が苦手らしい。
わたしが教えようとしても落ち着きなく身体をゆらし、しまいには「ねーちゃん教え方下手!」と言って宿題を投げ出した。
まあわたしが誰かに勉強を教えるなんて、おこがましいよなあと思い、積極的に彼を引き留めることもしなかった。