明日死ぬ僕と100年後の君
次々に打ち込まれるので、剣一本じゃちっとも防ぎきれずバシバシとあちこち叩かれた。
「ちょ、ちょっとちょっと! 手加減してよ。女子ひとりに大勢でかかってくるなんて卑怯でしょっ」
「ねーちゃんオトナだろ! ハンデだよ!」
「残念でしたー。高校生はオトナじゃないんですー」
攻撃を受けながらも、なんとか軽く隼人くんの頭頂部に1本いれる。
けれどすぐにやり返され、逃げを打とうと回れ右をしたけれど、そこに立ちふさがる人間がいた。
「あのね、大崎さん。いまは勉強をする時間なんだよね」
「げっ。有馬……」
笑顔を張り付けて仁王立ちする有馬に頬が引きつる。目が全然笑っていない。あきらかに怒っている。
「そして僕たちは遊びにきたわけじゃないんだよ。わかってる?」
聞き分けのない子どもに言い聞かせるみたいに問われ、なんだか少し恥ずかしくなる。
隼人くんたちの視線が痛い。
「オトナなのに怒られてるぞ」とみんな思っているだろう。