明日死ぬ僕と100年後の君
「みんな宿題よくがんばりました! 次は全員で工作をするよー。色んな材料を集めたから、これを使ってオリジナルの短冊を作りましょう!」
子どもたちの前に立ち、久保さんがはりきった様子で腰に手を当てる。
宿題を終わらせて、少し疲れたような顔をしていた子どもたちだけど、久保さんの説明に途端に目を輝かせた。
学校で打ち合わせた通り、工作の時間は久保さんに任せ、有馬は完全にサポートに回るらしい。
わたしと同じように子どもたちの後ろに立ち、久保さんの説明を微笑まし気に見守っている。
ミーティングで有馬にそう言われ、嬉しそうにしていた久保さんの顔を思い出す。
久保さんは随分と有馬を慕っていることは、仮入部してからの短い期間でも感じていた。
そして有馬は、彼女を後輩として、ボランティア部の一員として、信頼している。
信頼……それだけだろうか。
ふたりの間にあるものは、本当にそれだけなんだろうか。
「たんざくってなにー?」
「知ってる! 七夕に飾るやつ!」