明日死ぬ僕と100年後の君
ごくりと大きく、喉が鳴る。
鳥肌が止まらない。
痛いほどに肌が悪寒を訴えている。
聞くなと、わたしの中の何かが叫んでいる。
けれど耳をふさぐことも、有馬の口をふさぐことも、わたしにはできなかった。
恐怖よりも好奇心が勝ったんだろう。
おっさん猫の言う通りだ。
わたしは、有馬のことが気になって仕方ない。
知りたかった。
どうしても、知りたかったのだ。
「僕はひとの命を食べて生きている」
排気ガスを巻き上げて、大型トラックが駆け抜けていく。
匂いと砂埃に抗議するように、猫がまたひとつ鳴いた。