明日死ぬ僕と100年後の君

わたしがもっと、優しい子だったらよかったのかな。


おばあちゃんを手伝っても、全然なっていない、余計な仕事を増やすなと言われるばかりで、結局やめてしまった。

いまじゃやっているのは買い物と、ひいばあの食事の手伝いくらいだ。


お母さんとおばあちゃんの仲を取り持つのも、いつしか諦めてしまった。

疲れているお母さんには、仲良くしてとは言いにくかったし、自分がたいして役に立てていない手前、おばあちゃんにも頼みにくかった。


わたしがもっと強ければ、諦めずにがんばる心があれば、うちの家族はもっとうまくいっていただろうか。

でもがんばるって、どれくらい?

どれくらいわたしは、このギスギスした空気を中心で吸い込んでいたらいい?


この家には救いはない。

わたしたちは命に縛られている。


そしてこの呪いみたいな運命は、繰り返されていくんだろう。

ひいばあが死んでも、今度はおばあちゃんが。

おばあちゃんが死んだら、次はお母さんが。

そしてお母さんが死んだら……わたしが。

< 158 / 306 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop