明日死ぬ僕と100年後の君
「興味ない? ああ、うん。わかるかも」
「うちらの話にも興味なさそうだもんね」
「恋バナとかしてると特にねー。ちょっとうちらのことバカにしてる感あるし」
「うちらにしてみれば、恋ひとつできねぇのかよって感じだけど」
冗談の中に本音を混ぜたような笑いが響く。
美咲は「そういう言い方は感じ悪いんじゃない?」とたしなめていたけれど、否定する気配はなかった。
震える手をなんとかドアから離し、うなだれる。
少し時間を置こうと、教室の前をあとにした。
たくさんの誰かと誰かが笑い合い歩く廊下を、ひとりとぼとぼと進む。
どうしようもなく、ひとりぼっちだと思った。
「はは……」
乾いた笑いがこぼれ落ちる。
「どうしてわたし、生きてるんだろ……」
それに答えてくれる人は誰もいない。
ひとりだから。
きっと生きている限りその答えは、永遠にわからないままなのだろう。