明日死ぬ僕と100年後の君
ああ、どうしてかな。
ふたりのことを想像すると、胸がきゅうに苦しくなったり、ズキズキしたりする。
胸を押さえてもまぎれない痛み。
最近のわたしの悩みの種だ。
「今朝は驚いたよ」
「え?」
「俺のことを偽善者って、あれだけ毛嫌いしていた大崎さんが、まさかボランティアを肯定するようなことを言うなんてね」
それを言われるとバツが悪い。
わたしだって、まさか自分がこんな風に考えを変えることになるなんて、少し前までは想像もしていなかった。
「……ごめん」
「えっ。どうしたの。らしくないよ、大崎さん。そこは“あんただって、わたしのこと大嫌いだって言ったくせに”って、反論してくれないと」
「……ほんと、イイ性格してるよ」
からかうように言われ、あきれながら有馬のわき腹を小突く。
お互い前を向いたまま笑った。
なんとなく、前よりも少し遠慮のない関係になれたようで嬉しくなる。
それから少し沈黙が続き、ふと有馬が呟いた。
「俺に気をつかった?」