明日死ぬ僕と100年後の君
「死ぬまで生きるのが人生だ」

◇100年分を君と





縦長の狭くて長い部室には、今日も窓から眩し過ぎるほどの光が差し込んでいる。

ふわりとカーテンを揺らす風さえ、輝いて見えた。


外から響く運動部のかけ声にグラウンドを見下ろせば、金属バッドの快音が高らかに響いたところだった。

長打を決めたのは、背番号2の長身選手。

同級生の柳瀬くんだ。

まだ春なのに、すでにこんがりと日焼けした肌が、遠目にもよくわかる。


その時背後でドアが開き、大きなおだんごを頭に乗せた後輩が顔をのぞかせた。



「あれっ。大崎先輩、もう来てたんですか」

「うん。SHRが早く終わったから」


久保さんはわたしの横に腰かけると、なぜかニコニコしながらこちらを見てくる。


「……なに?」

「あっ。すみません。大崎先輩がうちに正式入部してくれて、良かったなあと思って。ひとり減ると、やっぱり小さい部室でも広く感じて寂しかったから」



窓に目をやり、久保さんが呟く。

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