明日死ぬ僕と100年後の君

それは一緒に聞いていた久保さんも同じだったようで、ぽかんと口を開けて有馬とわたしを交互に見てくる。

ゆでたまごひとつくらい、すんなり入ってしまいそうな開き具合だ。



「……えっ」


きれいに磨かれた爪が、わたしを向き、有馬を向く。


「ええっ!?」



久保さんが悲鳴にも似た声をあげる。


しれっとした顔の部長を睨みつけ、わたしは小さく頭を抱えた。






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