明日死ぬ僕と100年後の君
「僕が? 一体どうして、そう思っちゃったかな」
「だって有馬、久保さんに優しかったじゃん」
「そりゃあ優しくするよ。大事な後輩だし。唯一の正式な部員だったし」
「わたしにはあんなに冷たかったのに!」
何せ初対面で「大嫌い」だ。他にも辛辣な言葉をいくつかもらっている。
しつこいと言われようが、いつまででも言ってやる。わたしは根に持つ方なのだ。
「冷たくしたつもりはないんだけど。僕にとって君は眩しくて、羨ましくて。だからまあ、少し意地悪はしたかもしれない」
「少し? あれで……?」
「ある意味久保さんより、特別扱いしてたんだけどね。大崎さん、全然気づかないんだもんな」
「気づくわけないじゃん! あんなの普通、嫌われてると思うに決まってる!」
わたしが怒ると、有馬が笑う。
あの困ったような笑い方じゃない。もっと自然に浮かぶ、心からの笑顔だ。
つられてわたしも笑ってしまい、結局許すことになる。
こんな風に有馬と普通に笑い合えるようになるなんて、去年は考えられなかった。
色々あった。ここまで本当に、色々。