明日死ぬ僕と100年後の君

「僕は君のために生きるんだろう?」

「待って。有馬、そんなキャラじゃなかったじゃん……」



困り果てて言ったわたしに、有馬が笑う。

本当にいい性格をしている。


でも、以前の有馬よりもずっといきいきとして見えるから、嫌いじゃない。

きっといまの有馬が本来の彼の姿なのだろう。


こうなって本当に良かったと、心から思う。



「ねぇ有馬。今度の土曜日、ボランティア入ってなかったよね? ヒマ?」

「君がデートしてくれるっていうならヒマ」



笑顔で爽やかに言い切る有馬。

ちゃっかりしているというか、押しが強いというか。

日々有馬の新しい面の発見で忙しい。




「で、デートって言うのかはわからないけど。……うち、来ない?」



これを言うのに一生分の勇気……とまではいかないけれど、1年分の勇気くらいは使ったかもしれない。


言われた有馬が、ぽかんとした顔で固まったのがおかしかった。





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