明日死ぬ僕と100年後の君

おっとりしていて、どこか可愛らしいひいばあが、わたしは嫌いじゃない。

だからさっきみたいに、おばあちゃんがひいばあを介護しながら、イライラして怒鳴りつけているのを聞いたりすると、嫌悪感で叫び出したくなる時がある。


でもひいばあは、いつもにこにこ笑っている。

おばあちゃんやお母さんにどれだけ冷たいことを言われても、ぞんざいに扱われても、ひいばあはおっとり笑っている。


ひいばあのことは嫌いじゃない。

でも、見ていると悲しい気持ちになった。


老々介護という言葉を、高校生になって知った。

いまは元気なおばあちゃんも、今年75歳。

いずれ動けなくなって、介護される側になる。


みんなそうだ。年を取れば身体が動かなくなったり、病気になったりして、誰かの手を借りなきゃ生活できなくなる。

わたしだって、そうだ。


みんないつかそうなることが、生まれた時から決まっている。

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