明日死ぬ僕と100年後の君

「え? 聖人に嫌いって言われた人がいる? まっさかあ。聖人がそんなこと言うわけないじゃん。もし本当に聖人が言ったんだとしたら、言われた方が相当だったんじゃない?」



クラスで仲良くしている友だちの美咲にそう言われ、「確かにそうだよねぇ」なんて軽薄な相槌を打ちながらも少しショックだった。

ここまで他人に根拠のない信頼をされる有馬夕星は、果たして本当に人間だろうか。


なんだか「嫌い」と面と向かって言われた上に、人格否定までされたも同然なわたしがかわいそう過ぎる。

確かにわたしは面倒くさがりで、何事にもやる気を出せないダメ人間だけど、そこまで悪く言われるようなことをしただろうか。

理不尽だ、とても。



「っていうか、珍しいね。いくるが他人に興味示すの」

「……そう? まあ、ほら。ボランティアやらなくちゃいけなくなったし」


不本意だけど。拒否権のないペナルティで仕方なく、だけど。

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