明日死ぬ僕と100年後の君

「いやぁ……この年でキャラ弁って、ちょっとないよなぁって思いますよね。うちまだ小さい弟と妹がいるから、幼稚園のお弁当と同じにされちゃうんですよね。で、弟たちがみんなおそろいって喜ぶから、わたしもキャラ弁やめてとは言いにくくて」

「へえ。仲良し家族なんだね」

「でも兄弟が多いぶん、ケンカも多いですよ。大崎先輩はご兄弟は?」

「うちはひとりっ子。いいよね。わたしも弟とかほしかったなってよく思うよ」


兄でも良かった。姉や妹だと、きっとうちの家系は長寿になってしまうから。

血の呪いみたいなものに縛られていない、男兄弟がいたら……


余裕のないわたしたち家族も何かが違っていたかなって。

でも男は短命になるらしいから、いたらいたで悲しみは増えたのかもしれない。



「そういえば部長もひとりっ子でしたっけ?」


久保さんがふと思いついたように有馬に問いかける。

さっき柳瀬くんはお兄さんがいるって言っていたっけ。


有馬はなんとなく、弟か妹がいそうだと思った。

面倒見が良いのは下に兄弟がいるからだろうって。

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