透明な恋《短》
+透明の始まり
放課後、勉強を教えてもらってから。夜木君とは良く話す仲になった。
と言っても、休み時間は例外なく彼の周りには女子や男子がいて、とてもじゃないけど話せない。話すのは放課後、あの場所で。
どっちかが、放課後会って話そうと持ちかけたわけでもなく。自然と会って話すことがおおくなった。
「うわッ!!伊達さん居たの!?」
『うん、結構前から』
相変わらず影は薄いままだけど……。
プリントを回収している人のところに持って行ったのはいいけど、気づいてもらえずまた吃驚された。
席に帰ってくると、夜木君がアチャーって顔して不覚にもフッと笑ってしまった。
「ドンマイです」
『ドンマイでした。まぁ、急に影が濃くなっても困るのでいいですけど』
「授業中居眠りしてるもんね。先生気づいてないけど」
『結構役得』
「勉強しないとまたテスト前に困るぞー」
『はいはい』
「返事ちょーテキトウなんだけど。絶対わかってないじゃん」
フハッと二人で笑った。前まで楽しくなかった学校生活が、急に色付いたみたいだった。コレも彼のおかげ、感謝してもしきれない。