透明な恋《短》
「……あれ、誰??」
『えっと、中学の時同じクラスだった子』
「仲良かったの??」
『仲良さそうに見えました??』
真顔で彼を見上げると彼は目を丸め、フハッと笑った。
「見えなかった」
『そういうことです』
というより空気をぶち壊すようで申し訳ないんですけど……離してもらいたい。いや安心感はありますよ、良い匂いするし落ち着きます。
でも、心臓が止まりそうなほど激しく動いてるので速やかに離してもらいたい。
ヤバイヤバイ、今までそれど頃じゃなくて気にしてなかったけど……。
今の状況はとてつもなく心臓に悪いよ!!ドキドキが止まらない!!
『えっと、夜木君』
「あーそうだね廊下のど真ん中だ」
私と違って冷静そうな夜木君は、パッと腕から私を解放すると、図書室に向かった。私の腕を引いて。
手をつなぐ必要ないですよ!!あらぬ噂が立つ事はないでしょうけど!!万が一のことが!!