透明な恋《短》
図書室で本を読む気にもなれなくて、さっさと下校した。家に着くと部屋に逃げ込むように入り、ベッドに倒れこんだ。
恋ってものを体験したことがない。だからこれが恋なのかどうか正しく判断できない。
それでも、あの二人の姿を見てモヤモヤするのも、こんなに胸が苦しいのも、多分恋の所為だと思う。
だてに恋愛小説や雑誌をよんでないよ!!……別に苗字とかけてないよ??
初恋って甘酸っぱいって聞いてたんだけどなぁ……。
ただただ苦い。こんなの食べれないよ、吐き出したい。
この恋心に気づかないフリをしていたら。純粋に友達として彼を好きでいれたのだろうか……。
私だけ見ていて欲しいとかそんな欲もでず。彼と接することが出来たのだろうか。
グルグルする。
彼を失うのは怖い。恋をした相手だけど、仲良くなった数少ない友達でもあるから。彼との関係は良好でありたい。