透明な恋《短》
校舎裏の物置前。始業の前でもちろん人なんて居ない。
「単刀直入に言うわ。彼方に近づくのやめてよね!!」
リーダー格と思しき一人が、まくし立てるような勢いで言い放つと、私を突き飛ばした。受身もとらず思いっきり尻餅をつく。
「迷惑がってたわよ、貴女のこと!!ちょっと優しくしたら、懐かれて困ってるって」
よく見れば、昨日夜木君の隣にいた人か……。
ボーっと見ていると、平手打ちが飛んできた。横暴だと思う。
『……ッ』
「何とか言いなさいよ!!!!」
何とかって……何を言えばいいんでしょうか。どうせ何を言ったって怒るでしょう、冷静に話し合いましょうよ。
「私の事、馬鹿にしてるの!?!?」
胸倉をつかまれ、怒る彼女の顔と近くなる。息苦しいのは胸倉をつかまれている所為か、彼女の言った事にショックを受けているのか。
とりあえず、冷静に話し合いましょうって……。