透明な恋《短》
+透明な恋
「何とかいえよ!!」
「黙ってんじゃねーよ!!」
「近づくなっつんてんだよ!!返事くらいしろや!!」
何度も鋭い鋭利な言葉を浴びせられる。怖くて震えが止まらない。いや、震えない方がおかしい。
それでも、譲れないじゃん……。
『いや、です』
「あ??」
リーダー格の子の言葉に、取り巻きの子達は口をつぐんだ。髪をつかみ持ち上げられる。
頭皮が悲鳴を上げた。痛い。
「なんつったよ、今」
『嫌だって言ったんですよ』
やられっぱなしなんていや、根暗でも透明でも、言うときは言うんだから!!!!
「痛い目みたいらしいね。分かった望みどおり」
振りかざされた手に、目を閉じる。あー痛いのやだよ!!でも後悔はもっとやだし!!
「え??」
「……なに、してる。わけ??」
目を閉じ我慢する私の耳に聞こえたのは、動揺するギャルたちの声と荒い息をする彼の声だった。