透明な恋《短》
恐る恐る目を開ける。
「ち、違うのよ彼方」
「何が違うわけ??俺には一人相手に、数人で寄って集ってて見えるけど」
「ち、ちが」
「とりあえず、彼女の事離せよ。わかんないかもしれないけど、俺さ今までで一番怒ってるんだよね、わかる??」
彼の満面の笑みに、脱兎のごとくギャルたちは青い顔をして、逃げていった。
『こ、わかったぁ』
二人きりになった瞬間、その場に座り込んだ。安心して足に力が入らない。
アハハッと上手く笑えてるか分からないが、笑っていると力いっぱい彼に抱きしめられた。
「ごめん」
『……なんで夜木君が謝るの??』
「ごめん」
『夜木、くん??』
「ごめん」
話しかければかけるほど、抱きしめる強さが強くなっていった。