透明な恋《短》




声は隣の席からで、まぁ先生に私の声なんて届いてない。隣の席の男子に、先生は視線を向けて「あー??」みたいな気の抜けた声を上げた。



なんか、少しイラッとした先生の残り少ない髪の毛抜きたい衝動に駆られたは今。



「伊達さん、いますよ」



まさかの状況に、目を丸めた。



まさか、クラスの中に私の事見えている人がいるなんて。私幽霊じゃないけど。



「おぉ、そうか。すまん」



悪いと思ってんなら、もう少し誠意を込めて謝れ。



軽く先生を睨みながら、薄い髪の毛がもっと禿げ散らかってしまえばいいと心の中で毒づいた。



…………あそうだ、こういう場合ってお礼を言った方がいいのか??



チラッと隣を盗み見るつもりで見れば、バチッと目が合う。盗み見れてない。



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