透明な恋《短》
原因は分かってる、今朝のあれ。ずっと頭をグルグルしている。
何で彼は、言ってくれたんだろう。ただ単に優しい性格なんだろうか。でも、私のことを見つけるなんて相当すごいことだよなぁ……。
あれ、なんだか辛い。見つけるって、私普通にいるだけなんだけど、むしろ気づかれないって……。
高校生活。残りもこんな感じで終っちゃうんだろうか……。
考え事をしているうちに、目的の場所に着いた。予想通り人が居ない。ラッキー!!
椅子に腰を下ろし、鞄を横に置き机の上に教科書を広げた。
さて、私は古典が苦手だ。とても苦手だ。漢文に関しては手の施しようがないほどに……。
本当はしたくないけど、やるしかない。