いつか恋とか愛にかわったとしてもー前篇ー

兄が人に頼んで勇への暴行を企てている。
そうなったのは、元はと言えばひかりが浩二に勝子への仕返しを頼んだからで、勇は勝子を心配して迎えに来ただけだ。
笑うと幼さがのぞくいかにも好青年といった勇の顔を思い出し、そしてその勇がサイナスのメンバーに囲まれ痛めつけられている様子を想像する。
殴られ蹴られ、もしかしたら骨くらいは折れるかもしれない。
いや死なない程度の手前だったらもっとひどいことをされるだろう。
濁った水が胸に広がるようないやな気分を抱きながら、光はスマホをテーブルに戻した。