いつか恋とか愛にかわったとしてもー前篇ー
勇が勝子を助ける前に3人は床にころげたが、最初に倒れたリーダーがポケットから小さな折り畳み式のナイフを取り出し刃を立たせ、再び勝子に襲いかかってきた。
「勝子!」
再び勇が悲鳴を上げる。
将棋駒男もこけし男も女子高生を刺す予定はなかったので、リーダーがナイフを持って勝子に向かっていくのを見たときにはたじろいだ。
「刺される!」と勇も将棋駒男もこけし男も思ったが、勝子はリーダーの腕を寸でのところでつかんで背中側にひねった。
そのときナイフの刃が勝子の額にふれて、赤い血の線が走った。
それでも勝子は構わず、バランスを崩してもう一度うつ伏せに倒れたリーダーの腕をぐいっと持ち上げ「いい?」と聞いた。
「な、何が?」
リーダーが苦痛に顔を歪める。
「これ以上やると骨折れちゃうけど、いい?」
「い、いいわけねーだろ、やめろ……」
特徴のない顔がさらに大きく歪んだ。
「何してるんだ!」
そこに3人の警察官が走り込んできた。
勝子は男から手を離し、両手を肩の横にあげると「正当防衛。来るの、遅いよ」と唇をとがらせた。
「勝子!」
再び勇が悲鳴を上げる。
将棋駒男もこけし男も女子高生を刺す予定はなかったので、リーダーがナイフを持って勝子に向かっていくのを見たときにはたじろいだ。
「刺される!」と勇も将棋駒男もこけし男も思ったが、勝子はリーダーの腕を寸でのところでつかんで背中側にひねった。
そのときナイフの刃が勝子の額にふれて、赤い血の線が走った。
それでも勝子は構わず、バランスを崩してもう一度うつ伏せに倒れたリーダーの腕をぐいっと持ち上げ「いい?」と聞いた。
「な、何が?」
リーダーが苦痛に顔を歪める。
「これ以上やると骨折れちゃうけど、いい?」
「い、いいわけねーだろ、やめろ……」
特徴のない顔がさらに大きく歪んだ。
「何してるんだ!」
そこに3人の警察官が走り込んできた。
勝子は男から手を離し、両手を肩の横にあげると「正当防衛。来るの、遅いよ」と唇をとがらせた。