いつか恋とか愛にかわったとしてもー前篇ー
視線を目の前の2人に戻すと、「あのさあ」と、美樹が昨日までとは別人のようにもじもじと遠慮がちに言う。
「彼、紹介してもらえないかな」
勝子は「いいよ」と答える。
あっさり承諾されたことに驚いたようで、美加と由紀は互いを見合い、それから顔がぱっとほころんだ。
「本当?」
「うん。クラスメートをいびって転校生に嫌がらせをする、ほら私を公園に呼び出したあの女子たちがあなたに興味があるみたいだから会う? って聞いておく」
美加と由紀のほころんだ表情がすっと消え、勝子を睨んだ。
「ふざけないでよ!」
美加が振りかざした右手を勝子は素早くつかむ。
女子の手首は細い。
指3本で勝子はその手を押さえ込んだ。
「その子、今日は私の顔をはたこうとしたって追加しておくね」
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