いつか恋とか愛にかわったとしてもー前篇ー
高3でのクラス替えで、勝子はひかりとも高木さんとも山城さんとも別れた。
クラス替えの直前に髙木さんが志望校を聞いてきたので、勝子は一応W大と答えたら、「うへ、W? 真田さんすごいね、文武両道。Wかあ……」とぶつぶつ独り言をいったあと、「うん、でもわかった」と、決意表明のようなまじめさで深く頷いた。
真田さんの隣で話を聞いていた山城さんとも顔を見合わせ、2人でうんと頷き合って、普通ならここでなにがわかったのか説明が続くものだけど、勝子の志望校を知って気がすんだのかそのまま席に戻ってしまった。
なので勝子にはなんのこっちゃ、今でもわからない。
勇は勝子が受験勉強に本腰の姿勢を見せてから、どこの大学にするのか、俺の大学に来いとうるさい。
玉木浩二のような生徒がいる大学なんていやだと言うと「それは俺のせいじゃない」と言ってむきになる。
そういえば玉木浩二はあの事件――勇襲撃事件――のせいで退学になった。
強からも去年の11月「志望校は決めたの?」と聞かれた。
「強ちゃんの大学、Wを狙おうかな」と、勝子はまだぼんやりした感じで答えると、「そうか」と予想外のとろけるような笑顔で喜んでくれたので、「狙おうかな」ではなく「入ろう」と決めた。
クラス替えの直前に髙木さんが志望校を聞いてきたので、勝子は一応W大と答えたら、「うへ、W? 真田さんすごいね、文武両道。Wかあ……」とぶつぶつ独り言をいったあと、「うん、でもわかった」と、決意表明のようなまじめさで深く頷いた。
真田さんの隣で話を聞いていた山城さんとも顔を見合わせ、2人でうんと頷き合って、普通ならここでなにがわかったのか説明が続くものだけど、勝子の志望校を知って気がすんだのかそのまま席に戻ってしまった。
なので勝子にはなんのこっちゃ、今でもわからない。
勇は勝子が受験勉強に本腰の姿勢を見せてから、どこの大学にするのか、俺の大学に来いとうるさい。
玉木浩二のような生徒がいる大学なんていやだと言うと「それは俺のせいじゃない」と言ってむきになる。
そういえば玉木浩二はあの事件――勇襲撃事件――のせいで退学になった。
強からも去年の11月「志望校は決めたの?」と聞かれた。
「強ちゃんの大学、Wを狙おうかな」と、勝子はまだぼんやりした感じで答えると、「そうか」と予想外のとろけるような笑顔で喜んでくれたので、「狙おうかな」ではなく「入ろう」と決めた。