いつか恋とか愛にかわったとしてもー前篇ー

家族の秘密

夕食の時間、父から「新しい学校はどうだ? クラスはどうだ?」と尋ねられ、勝子は「いいとはいえない」と答えた。
「何がよくない?」
またか、と剛はいやな想像をして、小さく息を吐いた。
「あの3人の子たちと何かあったんだろ?」
強が尋ねる。
心配そうに父と母が勝子を見る。
「大したことじゃないけど」と前置きをして、勝子は今日の出来事を報告した。
父も母も強も「結構大したことじゃないか」とあきれたが、勝子は何も気にせぬ様子で、「おかわり」と、3杯目の茶碗を母に差し出した。

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