いつか恋とか愛にかわったとしてもー前篇ー

これまでに何度もいじめにあってきた。

上履きを捨てられ、「死ね」「ブス」「うぜえ」と机や黒板に落書きをされ、ある時には机やいすを隠され、トイレに連れ込まれて便器に顔を突っ込まれそうになったこともあった。

体操着が鋏で切られていたり、弁当にカッターの刃が詰められていたりしたことも。
いじめのグループは、いつだって自分たちは優れている、イケてる、力を持っている、と思っている人たちだ。

勝子は飾り気がなく、女性よりも少女の香りが強い。
今可愛いというより、大人になるにつれて美しく花開くだろうと想像できるスペックを持っている。そしてそれは、いじめの対象となる理由として十分成り立つのである。
純粋そうな少女はいじめに屈し、傷つかなければ面白くない。
いじめる側にとっては――。
でも勝子は屈しない。