いつか恋とか愛にかわったとしてもー前篇ー

攻撃その１

ひかりたちが後ろにいるのを確認すると、勝子はタッと走り出した。
ひかりたちもあわてて追ってくるが、勝子はその遅さにいらつく。
「遅いよ。まだ高２なのに運動不足だよー」と心の中でぶつくさ言いながら、少しスピードを落として住宅街を駆けた。
しかしそれでもひかりたちはついてこられず、仕方なく勝子は角を曲がったところで立ち止まった。
少しして「曲がったよね」という声と共にひかりたちが勝子の目の前に現れる。
「ぎゃっ」
まさか勝子が待っているとは思わず、ひかりは勝子に正面からぶつかって喉を絞ったような変な声を出し、その後ろから来た美加もひかりに、由貴は美加にぶつかった。
「私になにか用？」
走って止まったばかりで呼吸が整っていないのと、急に勝子がいたものだから返事が浮かばないらしい。
ひかりはハアハアと荒い息をして、ようやく「な、なによ」と言った。