いつか恋とか愛にかわったとしてもー前篇ー
「私が聞いているの。3人で私のこと追ってきたみたいだけど、なにか用事?」
3人はまだ息を整えている。
「用事がないなら行くけどもうついてこないでね」と言う勝子の足元をひかりが指さす。
「?」
「ひも、ほどけてるよ」
下を向き、自分の靴を見た瞬間「しまった」と思った。
通学以外ではいつもスニーカーを履いているので、つい引っかかってしまった。
勝子が自分のモカシンを見下ろした瞬間、側頭部に大きなショックを受ける。
スクールバッグを振り回し、ひかりが勝子の横っ面を強打したのだ。
至近距離から不意打ちをくらって大きな衝撃を受け、勝子は右側によろけた。
そのよろけたところを今度は美加と由貴に突き飛ばされて不覚にも転んでしまった。
さらに倒れた勝子の腹をめがけて、ひかりの足が上がる。
靴底が見え、とっさに勝子は身体を右に転がした。
ひかりの足をかわして速攻立ち上がり、ひかりの左腕をひねり上げた。
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