いつか恋とか愛にかわったとしてもー前篇ー
あれっ? と首をひねってもたげると、1人の少女が勇を囲む年長の生徒たちを睨み付けていた。
「4人で一人の子をいじめるって、あんたたち、すっごい弱虫ね!」
げっ! と勇はびびった。
いくらへなちょこだとはいえ、小学6年の男子がこんなにひどいことになっているのに、そこに明らかに下級生の華奢な女子が挑んでいるのだから。
やめろ、逃げてくれと勇は祈ったが、彼女は身体が一回り、いや二回りくらい大きい男子と向かい合ってもひるまなかった。
「なんだよこいつ!」と力んで男子たちが近づいていくと、「先生に報告するから。あなたたちの名前は桜木に田端に……」と、彼らが背負っているランドセルの横にある名札を読み上げていった。
「ふざけんなよ!」
一番体格の大きい男子が彼女を思い切り突き飛ばした……はずだったが、彼女はその腕をひょいとよけたので、前につんのめったのはそのでかい男子の方だった。
小学生でも男にはちっぽけなプライドがある。
女子に負けるわけにはいかない。
男子は4人がかりで小さい下級生にかかっていった。
勇は慌てて彼女を庇おうとしたが、情けないことにすぐに一人の男子にはじきとばされてしまった。
「4人で一人の子をいじめるって、あんたたち、すっごい弱虫ね!」
げっ! と勇はびびった。
いくらへなちょこだとはいえ、小学6年の男子がこんなにひどいことになっているのに、そこに明らかに下級生の華奢な女子が挑んでいるのだから。
やめろ、逃げてくれと勇は祈ったが、彼女は身体が一回り、いや二回りくらい大きい男子と向かい合ってもひるまなかった。
「なんだよこいつ!」と力んで男子たちが近づいていくと、「先生に報告するから。あなたたちの名前は桜木に田端に……」と、彼らが背負っているランドセルの横にある名札を読み上げていった。
「ふざけんなよ!」
一番体格の大きい男子が彼女を思い切り突き飛ばした……はずだったが、彼女はその腕をひょいとよけたので、前につんのめったのはそのでかい男子の方だった。
小学生でも男にはちっぽけなプライドがある。
女子に負けるわけにはいかない。
男子は4人がかりで小さい下級生にかかっていった。
勇は慌てて彼女を庇おうとしたが、情けないことにすぐに一人の男子にはじきとばされてしまった。