いつか恋とか愛にかわったとしてもー前篇ー
「神谷、体育館に竹田がいるはずだから呼んで来い。俺はこいつらを見張ってるから」
竹田とは佐々木君の担任であり体育の教師で剣道部の顧問でもある猛者の竹田先生だ。
正義感に溢れ、曲がったことが大嫌い。
暴力をふるうわけでもないのに、竹田先生に怒られるとめっちゃ恐ろしい。
怒鳴られただけでその迫力に誰もが縮み上がる。
僕は体育館に走った。

佐々木君と同じく剣道着を着て、竹刀まで持った竹田先生を現場に連れて行くと、先生は彼女を見てあれ? という顔をした。
「もしかして君は真田先生のところの……」
彼女が厳しい表情のまま顎を引く。
「そりゃ強いわけだ。けど上級生4人に突っ込んでいくとはさすがだな」
竹田先生がはっはっはと豪快に笑う。

もしかして彼女は竹田先生の先生だった人の知り合いなのか? という疑問はそれから少しして判明する。
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