いつか恋とか愛にかわったとしてもー前篇ー
この日を境にまた佐々木君が他の友だちも連れて勇のクラスに遊びに来るようになり、クラスメートからの無視もそれほどつらくなくなった。
と思ったら、いつのまにか勇への無視はなくなって、代わりに勇をいじめていたやつらがみんなから疎んじられるようになった。
おかげで残りの小学校生活を、勇は平和に楽しく送った。
勇は勝子に救われたのだ。

勇が超武道塾に熱心に通いだし、1年たって勝子とも仲良くなり始めた頃、勝子は大阪の学校に転校してしまった。
その頃、勝子のお父さんは転勤が多く、兄貴の強さんは東京に残ったけど、勝子はお母さんと一緒にお父さんについていった。

小2の時は千葉。小3で福岡、小4で一旦東京に戻り、中2で静岡へ。せっかく難関の進学高に受かったのに高2でまた東京に戻ることになり、さらに難関の南高校に転入した。
さすがだ。
勝子とは離れている間もラインや電話でしょっちゅう連絡を取り合っていたし、春休みとか夏休みとか冬休みには東京に帰ってきていたから、改めて東京に戻ってきたときも懐かしいとか久しぶり! という感じはしなかった。
それでも勝子は会うたびに強く、きりりとなっている。
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