いつか恋とか愛にかわったとしてもー前篇ー
第3章 3日目の罠

ひかりからの伝言

早々にひかりたちを敵に回したおかげで、ほかの生徒たちも勝子を敬遠しているようだった。
登校3日目にして教室に入っても誰も話しかけてこようとはせず、勝子を遠巻きにして様子をうかがっている。
クラス内での力関係が変わるのかどうかをうかがっているのだ。
ひかりたちがこのまま力を維持していけばそのまま。
もしも勝子がそれに対抗する力を発揮するならその流れに乗っていこう。
そんな計算だ。
教室に入っても誰も顔を向けてこず、まるで勝子に気づいていないかのように振る舞う様子に勝子が傷つくかといえば、そんなことはない。
そんなことは何度も経験済みだ。
最初は悲しかったし落ち込みもした。
でも、てきとうな友人関係などいらないと割り切ってしまえばさっぱりしたし、友人の目を気にする怯えからも解解放された。
それ以来、勝子は一人で行動することになんの苦痛も憶えない。
逆に相手の顔色をうかがったり、思っていないことを言ったりして他人に合わせる方がよっぽど苦痛だ。
ということがわかっただけだ。

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