いつか恋とか愛にかわったとしてもー前篇ー
「あ、ひかり。こいつさあ、こんな弁当食ったらまたデブになるから注意してやってたのよ」
「そうなんだあ。ちょっと見せて」

山城さんのランチボックスを覗き込んだひかりは手のひらを滑らせて、ランチボックスを机の上から払い落とした。
バシャっと音がして、床にばらばらになったサンドイッチと、レタスやプチトマトが散らばったサラダ、その隣に唐揚げがばらまかれた。
こんな風景はいつものことだからなのか、自分たちのおしゃべりに夢中で気が付かないのか、ほかの生徒は誰も関心を示さない。
開け放たれた窓から風が吹き込み、いろんな食べ物の匂いをかき回した。

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