いつか恋とか愛にかわったとしてもー前篇ー
「違う、本当よ。本当に山城さんといるからって……」
すがるような目を向けて高木さんが勝子に訴える。
そんな切迫した顔をしなくても、ひかりたちが嘘をついているのは見え見えなので大丈夫だよ、と言う代わりに「どっちでもいいけど、山城さんがいないなら帰るわ。高木さん、行こう」と踵を返そうとしたところで腕を掴まれた。
「そりゃないんじゃない」
男の声。
振り向くと、ひかりによく似た顔が間近にあった。
ブランド物のTシャツにくるぶしまでのパンツ。
今人気の若手俳優のように前髪が額に少しかかるようなナチュラル系の髪形にして、なんとなくカッコいい風にまとめている。
けれどひかりと同じ小さい目が離れすぎていて、ちゃんと見ると、いや、ちゃんと見なくても間が抜けている。
全然かっこよくはない。
すがるような目を向けて高木さんが勝子に訴える。
そんな切迫した顔をしなくても、ひかりたちが嘘をついているのは見え見えなので大丈夫だよ、と言う代わりに「どっちでもいいけど、山城さんがいないなら帰るわ。高木さん、行こう」と踵を返そうとしたところで腕を掴まれた。
「そりゃないんじゃない」
男の声。
振り向くと、ひかりによく似た顔が間近にあった。
ブランド物のTシャツにくるぶしまでのパンツ。
今人気の若手俳優のように前髪が額に少しかかるようなナチュラル系の髪形にして、なんとなくカッコいい風にまとめている。
けれどひかりと同じ小さい目が離れすぎていて、ちゃんと見ると、いや、ちゃんと見なくても間が抜けている。
全然かっこよくはない。