いつか恋とか愛にかわったとしてもー前篇ー
「行きたくないし、用事があるから帰る」
「君さ、憎らしいほど愛想ないね。それでブスだったら抹殺したいくらいだよ」
浩二は品なくへへっと笑う。
それを言うなら意味なくへらへらしているあんたの方が抹殺レベルの不気味さだと勝子は思うが、口には出さない。
出さないが、あからさまに表情にでてしまうのは何ともしがたい。
このまま全員をかわして立ち去るのは簡単だ。
勝子だけなら。
そうしようかと思ったが、いつの間にか美佳と由紀が人質のように高木さんの腕を両脇から捕まえている。
だから帰ってくれてよかったのに――と思いつつ「高木さんは帰ってもいいんじゃない」
と提案してみた。
すると「そうだな、俺と友達で男は2人だし。あ、でも余計なことを言ったりしたりしないでね」と兄・浩二が、「そうだよ、先生に告げ口なんてしたら、次のターゲットはあんただからね」と妹・ひかりが答え、髙木さんの解放案があっさり通った。
「君さ、憎らしいほど愛想ないね。それでブスだったら抹殺したいくらいだよ」
浩二は品なくへへっと笑う。
それを言うなら意味なくへらへらしているあんたの方が抹殺レベルの不気味さだと勝子は思うが、口には出さない。
出さないが、あからさまに表情にでてしまうのは何ともしがたい。
このまま全員をかわして立ち去るのは簡単だ。
勝子だけなら。
そうしようかと思ったが、いつの間にか美佳と由紀が人質のように高木さんの腕を両脇から捕まえている。
だから帰ってくれてよかったのに――と思いつつ「高木さんは帰ってもいいんじゃない」
と提案してみた。
すると「そうだな、俺と友達で男は2人だし。あ、でも余計なことを言ったりしたりしないでね」と兄・浩二が、「そうだよ、先生に告げ口なんてしたら、次のターゲットはあんただからね」と妹・ひかりが答え、髙木さんの解放案があっさり通った。