いつか恋とか愛にかわったとしてもー前篇ー

「まあ、そんなとこかな」
「深山はどうしたんだよ」
そもそも浩二が最初に誘ったゼミ仲間の深山がいない。
ルックスは浩二のちょい下くらい（あくまでも浩二の自己評価だが）。
ノリがいいので場を盛り上げるには便利だし、深山がいれば自分は最下位にはならない（これまた自分基準で）安全材料の深山が。
「帰ったよ」
「帰った？」
「うん。俺が友だち連れて行くって言ったら、人数足りてるなら行かなくていいかなって言うから、いいよって言っておいた。なんか用事ができたみたい」
と、いうのは嘘だ。
「あいつ、やばい女子高生を高額で紹介しようとしているみたいだから、俺がまず見てきてやるよ」、と彼が深山を追い払ったのだ。
「なんだよ、まったく……」と浩二がぼやくと同時に「遅くなってごめん」と彼が笑みを浮かべた。
「いいよ、公園では待ち合わせただけだったから」と浩二は答えたが、その声に
「タイミングとしては確かにちょっと遅いよね」という勝子の声がかぶった。
「え？」
。