青春の蒼い花
あずささんは、うちを去る前に
俺に聞きたくもない真相を告げた。
俺が部活で遅くなって帰ってきたある日
その日は母は友人と飲みに出かけていて、珍しく父が平日休みをもらっていた。
そして父しかいない時間にあずささんはうちへやって来て、
どういう経緯かはわからないが、
俺の父と抱いたというのだ。
あとあと彼女との関係を恐れた父は彼女を追い出すことにしたようだ。
信じられないことばかりを彼女は俺に告げた。
「じゃあ、なんで俺のことを...」
「...だって、可愛かったから。
卓巳くん、私のこと好きって言ってくれて...
だから応えたかったの。
この気持ち、卓巳くんならわかるでしょ?」
そして、彼女はいなくなった。
「またどこかで会えたらいいね。」
俺だけが抜け出せない沼にはまったみたいで、
彼女は俺の上をヒラヒラと舞う蝶のように、
俺の手の中から放した瞬間に、どこかへ消えていなくなってしまった。