青春の蒼い花
「遅せぇぞ、高津!何してたんだ!?」
グラウンドに戻った高津は監督の原田先生に捕まった。
「え、水筒取りに行きますって言ったじゃないっすか。」
「にしても遅すぎだから。はい、学校の周り3周して来いよ。」
原田は何かとペナルティーで校外3周を部員にさせたいらしい。
高津はめんどくさいという顔をしながら、早く部活に戻るために、校門の外へと走って向かった。
そこにはまだ蒼衣の姿があった。
とぼとぼと歩く蒼衣の姿を見て
「あいつ歩くの遅すぎだろ」
とボソッと呟く。
校門を出てすぐのコンビニ。
そこに青い車が止まっていた。
それに向かって歩いて行く蒼衣。
助手席のドアを開けて乗り込むところを高津は目撃した。
横目で見ながら走って通り過ぎた。
運転席にいるのは蒼衣の親だと思い込んで。