青春の蒼い花
知らない時間
家に着くまでの車では近況報告をするばかりだった。
大学生として、たく兄は毎日頑張っているようだ。
私もどうしてたく兄と同じこの旭山高校にしたのかも話した。
私の理由はただ中学の担任に薦められたからだけだけど。
旭山高校は県内では割と頭の良い高校で、
私も担任に薦められたのはあったけど、受かるためには猛勉強をしたのを覚えている。
その度にたく兄のことを思い出していた。
ああ、あの時のたく兄もこんな感じだったのかなーって。
たく兄は頭がいいと私のお母さんはよく褒めていた。
勉強でわからないことがあればたく兄を頼りに行っていた。
でもそれだけじゃなかった。
それに加えてたく兄はサッカーの天才だった。
今通っている創坂大学へはサッカー推薦で入っている。
県や全国の大会でよく賞をとって帰ってきた。
そんなたく兄が教師になろうとしているのは意外だった。
教師なりたいなんて1度も聞いたことがなかった。
まあ、将来の夢なんてもともと聞いたことがなかったけど。
それまでの経緯が知りたかった。
知らないたく兄を知りたかった。