青春の蒼い花


そして、待ちに待った土曜日が来た。


お姉ちゃんはいつものように朝顔を合わせることなく、大学に向かってしまった。



でも、困ったのは服装だ。


目的はお姉ちゃんのプレゼント探しであるけど、

たく兄と二人で街に出るのなら、可愛い格好をしたい。


それが乙女というものだ。


だけど、学校で高津に言われているように
私はまるで女の欠けらも無い女。


そう言えばあいつにはメスゴリラとか言われたことあったっけ。

と色々回想していると、高津のことが頭を過ぎった。


なんで朝からあいつのことなんか!


急いで支度しなくちゃいけないのに!



私は引き出しに入ってある服を全て引っ張り出し、コーディネートを考える。


そして決めたのは、以前お姉ちゃんが買ってくれた花柄のワンピースだった。


まだ勇気が出ずに1度も来て出かけたことがない。


1度着てお姉ちゃんに見せたことはある。

お姉ちゃんはとっても喜んで似合ってるよって言ってくれたけど、


そう思いながら着てみた。


スカートすらあまり履かないのに、ワンピースなんてこれ一枚だけだ。


初めてする格好に恥ずかしさと不安さを感じながら部屋を出た。


すると、リビングにあるソファでたく兄は私を待ち構えていた。


「やっと降りてきたか」


「ごめん、準備に時間かかっちゃって…」



ソファから立ち上がり、私の格好を下から上へとじーっと見てくる。


そして

「かわいいよ」


そう言って頭を撫でてくれた。



恥ずかしさは絶頂に達したが、不安は無くなった。






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