青春の蒼い花
「勇心、誰に手を降ってんの?」
「いや…別に」
岡崎の言葉で我に返る。
何気持ち悪いこと考えてんだ、俺。
「ふーん。
でもさ、ほんと、
昭は木崎のこと好きだよなー」
岡崎のセリフに俺は理解できなかった。
「まあ~な~」
けれど周りの連中は分かりきっているようで、
長瀬はデレデレとした顔で、恥ずかしそうに頭をかいていた。
「えっ!!まじかよ!!知らねえよ俺!!」
思わず叫ぶ俺に周りのやつらはびっくりしていた。
「おいおい。気づかなかったのかよ、勇心。どう見たってこいつ、バレバレだぜ?
まあ、好きって認めたのは俺も初めて見たけど。」
「うん…俺も初めて言った」
まだ恥ずかしそうにしている長瀬をケラケラと他の二人は笑っていた。
それに比べ、そんなこと一個もきづかなかった俺は唖然としていた。
「いつからなんだよ」
俺がそう言うと、長瀬は素直に答えた。
「5月くらいからかな?
前に隣の席になってからだからな~」
「ふ~ん」
「勇心はいないのかよ?好きなやつ。」
「俺?…俺は…」
俺はこういう質問は全ていないと即答していた。
今まで好きになった人なんてほとんどいなかったから。
だけど今、一瞬、白石の顔が浮かんだ。
「…いないよ。」
「なんだよ、つまんね~」
「仕方ねえだろ、いねえもんはいねえんだから。」
さっきもいった通り、俺と白石は友達で、
それ以上に思ったことなんて一度もない。
それなのになんで、白石の顔が…
「そうだ、勇心!白石は!?」
岡崎の言葉に思わず口に含んでいた飲み物を吹き出してしまった。
「あ、それ俺も思ってたんだよ!
お前と白石、最近仲いいな~って」
そう言われるとますます、白石のことを考えてしまった。