青春の蒼い花
「はい、これ。」
「ありがとうございます」
俺は先生から絆創膏の箱を受け取ると、部屋をあとにしようと背を向けた。
しかし、先生に呼び止められた。
「ねえ、君、サッカー部さん?」
「えっ…、あっはい。」
呼び止められ、向きを直した。
「そーなんだ。もう戻っちゃうの?」
「はい」
「そう、頑張ってね。またいつでも保健室に遊びにいらっしゃい」
「はい…」
……なんだこの感じ
体温が徐々に上がっていっているのが自分でも分かる。
まるで熱でも出ているようだ。
ぼーっとするなかで目線は彼女しかとらえない。
美人というのは噂で聞いていた。
実際に会ってみると、噂以上の美人だ。
先生の目を見るだけで身動きができなくなる
そんな感覚に陥った。
呼吸が荒くなる
「どうしたの?」
俺を心配そうに見つめる目は教師という枠を越え、甘ったるい女の潤んだ目。
「いえ…失礼します」
俺は慌てて部屋を出た。
胸に手を当てるとバクバクと心臓が動いている。
なんだよ、あの人…!?
…ただの養護教諭じゃないだろ。